中村氏と照屋氏、一騎打ちの公算 雇用対策など争点に うるま市長選まで1カ月


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 【うるま】4月25日投開票のうるま市長選まで、25日で1カ月に迫った。新人で前市議の中村正人氏(56)と、新人で沖縄国際大名誉教授の照屋寛之氏(68)が出馬を表明しており、一騎打ちとなる見通しだ。両者とも初当選を目指す。新型コロナウイルス感染症や雇用への対策などが争点となる。

 中村氏は自民、公明、会派おきなわの推薦を受けている。昨年12月の出馬表明の際は、現在の島袋俊夫市政を継承し、発展させていく考えを示した。一方、照屋氏は共産、立民、社民、社大、新しい風・にぬふぁぶしから推薦を受けた。1月の出馬表明では、市民所得の向上や福祉の充実を図ることを強調した。

 両陣営とも、新型コロナ対策を最優先課題に掲げている。大打撃を受けた市民生活や事業者への支援のほか、ワクチン接種の体制整備を求める声は大きい。2人は、市民の命や暮らしを守ることを広く訴える予定だ。

 中村氏は具志川市時代を含め、市議を6期22年務めた。経済関係者との親交が深く、後援会には設備業者や建設業者らが名を連ねる。選挙戦では、これまで築いてきた地盤や知名度が利点となりそうだ。

 一方、照屋氏は大学で37年間、行政学や政治学を研究し教えてきた。地方自治について幅広い知識を持つ。在職中には市の委員会や審議会に携わった経験もある。理論と実践の両面の経験を市民にアピールする。

 今回の市長選は現市政への評価を問う側面もある。3期12年務めた島袋市長が昨年10月、病気療養のため今期限りでの退任を表明。市議会与党と野党会派はそれぞれ、候補者選定を進めてきた。その中で「勝てる候補」として選んだのが中村氏と照屋氏だ。市政の継承と刷新のどちらを求めるか、1カ月後の市民の判断が注目される。
 (砂川博範)