日台漁業ルールは現行を継続 コロナで19年度から見直し協議持てず


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尖閣諸島の(手前から)南小島、北小島、魚釣島=2002年3月(資料写真)

 尖閣諸島周辺の漁業権を巡る日本と台湾の漁業取り決め(協定)について、2021年度(21年4月~22年3月)も、19年度から続く現行ルールを継続することになった。操業ルールを協議する日台漁業委員会会合が、新型コロナウイルス感染拡大の影響で昨年に続いて開催できず、見直しの場が持てなかった。日本台湾交流協会が29日までに会合の中止を発表した。

 マグロはえ縄の漁場である八重山北方の「三角水域」は、現在約6割の区域が、台湾漁船の操業を優先する区分となっている。日本側は対等な水域割合の見直しを求めている。

 県農林水産部の長嶺豊部長は「重要な懸案事項を、ウェブ会議などで協議することは必ずしも効果的ではない。今回の決定はやむを得ない」とした。一方、「19年の操業ルールは沖縄側の不満が大きく残っている。改善が図られるよう、国や漁業団体と連携し、引き続き粘り強く台湾側への働きかけを継続したい」とした。

 県漁業協同組合連合会の上原亀一会長も、現在の操業ルールに納得していないとした上で、「今後も、県内漁業者が求める日本側の操業ルールに基づく安全・安心な水域の確保を求める」とコメントした。