国の財政支援拡充と旅行前PCR検査の徹底を 玉城知事が全国知事会で要望


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全国知事会のウェブ会議で、さらなる財政支援や、旅行前のPCR検査の徹底強化などを国に求める玉城デニー知事=4日午前、沖縄県庁

 全国知事会の新型コロナウイルス緊急対策本部のウェブ会議が4日あり、沖縄県の玉城デニー知事が県庁から出席した。玉城知事は全国知事会を通して、政府が新たに「感染者急増対応枠」をもうけるなど、新型コロナ対策に当てる財源のさらなる拡充や、旅行前のPCR検査受検の徹底・強化などを国に要望した。玉城知事は離島空港でのPCR検査体制構築に向けて取り組むことも明言した。

 会議後の報道陣の取材に、5日の県対策本部会議定例会議で、離島空港のPCR検査体制や 飲食店に対する感染防止対策の徹底を呼び掛ける庁内のプロジェクトチーム(PT)発足について話し合い、早期の検査体制構築などを目指す考えを示した。

 感染者増加を受けて「まん延防止等重点措置」を国に求めるかについて、玉城知事は、重点措置は県民の行動や渡航の自粛、営業時間短縮のを要請することなどから、「経済に対してものすごく影響が大きい。今ぎりぎりで経済界、医療界も頑張っている状況で、今後数値がどうなっていくか冷静に分析し、判断する必要がある」と述べた。

 全国知事会の会議で、玉城知事は、①安心して旅行できる環境づくりに向けた旅行前のPCR検査の徹底や強化②GoToトラベル事業の予算増額・期間延長、地域観光事業支援の要件緩和に宿泊施設などの感染対策徹底と柔軟な対応③臨時交付金の地方単独分の迅速な追加配分と、新たに「感染者急増対応枠」といった別枠を設けること―の3点を国に要望した。玉城知事は「新規患者数の急増や、第4波に備えた対策を早急に行っていく必要があるが、肝心の財源がまったく足りない」と訴えた。

 県内では、3日に直近1週間の人口10万人あたりの新規感染者数が41・27人と、宮城県の39・82を抜いて全国ワーストになった。同日の新規感染者数は117人と、2日連続で100人を超えている。玉城知事は報道陣に対し、「3月の人の動きが抑えられていくようになれば、この先の実行再生産算数は落ちていくと感染症の専門家から話を受けている。ここはみんなでしっかり抑えていき、数値が改善に向かうよう努力しないといけない」と述べた。水際対策強化に向けた離島空港のPCR検査などについて、5日の対策本部会議で進捗状況について説明を受け、必要な人員措置や機器の導入などに伴う予算など、協議すると述べた。