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先月16日、アメリカ・ジョージア州でアジア系女性6人を含む8人が銃殺される事件が発生しました。
その他にもアメリカ国内でアジア系市民に対するヘイトクライム【※1】が多発し、アメリカ大統領、国連事務総長などが「差別は許さない」と声明を出す異例の事態になっています。
※1 ヘイトクライム … 憎悪犯罪。人種・宗教・性的指向など、変えられない属性に対する差別から発生する犯罪、暴力。アメリカではアフリカ系アメリカンをターゲットとしたヘイトクライムに抗議する「Black Lives Matter運動」が昨年盛り上がりました。日本でも、在日コリアンの通う朝鮮学校が襲撃されるヘイトクライムが度々発生しています。
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昨年、新型コロナウイルスの最初の流行が中国を含むアジア圏だったことから、欧米でアジア系市民に対する差別が広がっていました。
自分たちとは違う文化や人種の人たちへの(無知から発生する)偏見が差別へと変わり、そしてヘイトクライムへと化けます。
差別の言葉も人を深く傷つけ、自ら命を絶ってしまうところまで追い込むこともありますが、今は直接的な暴力を加えているということです。
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インターネットでは誰でも自由に意見を書き込むことができますが、その結果差別的な言動も多く投稿されています。
さらにSNSなどは自分と近い考えの人が集まりやすい「エコーチェンバー現象」【※2】との相性がよく、差別的な考えが強化されていくなどの問題もあります。
その結果、偏見から差別、さらにはヘイトクライムもスピーディーになってしまうのです。
※2 エコーチェンバー現象 … 小さな部屋で自分の声が反響して大きくなる様子を表現した言葉。ネット上で似た考えの人たちと交流を繰り返すことによって偏った意見が増幅される意味です。例えば、ゲーム好きの人たちとだけSNSで交流をしていると「世の中の人全てが毎日ゲームをやっている」と勘違いし、結果的にどんどんゲームにのめり込んでいく現象です(ゲームはいろいろなものに置き換えることができます)。
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自分自身が差別主義者にならないためにも、情報をしっかり見極める必要があります。
またさまざまな地域の文化に触れ、直接的な国際交流などで理解を深めることも有効です(ただし、相手を「○○人」という属性だけで友達になろうとする態度は「思いやり差別」につながるので、こちらもまた注意が必要です)。
【プロフィル】
モバイルプリンス / 島袋コウ スマートフォンアドバイザー、フリーライター。沖縄県サイバー防犯PR大使を務め、スマホやインターネットの活動講座を学校などで実施。本連載をまとめた著書「しくじりから学ぶ13歳からのスマホルール」(旬報社)も発売中。