沖縄のモノレール、コロナで利用者激減 3両編成化は「予定通り進める」


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那覇の街を走るゆいレール=1月20日、那覇市安里

 沖縄都市モノレール(ゆいレール)の2020年度の乗客数は前年度比44・6%減の1093万5990人と落ち込んだ。新型コロナウイルス感染拡大が長期化し、経済活動の停滞や移動の制限など公共交通機関にとって厳しい経営環境が続いている。一方で、同社は23年度内の運行開始を予定する車両の3両化計画について、将来の旅客需要の増加も見越して予定通りに進めるという。

 浦添延長区間が開通(19年10月)した19年度は1975万人を記録し、2千万人の大台を目前にしていたが、急減した。

 同社は昨年5月の会見で20年度の1日平均乗客数について、19年度の約3割減に当たる3万8500人と仮定した。しかし、実績は3万44人とさらに下回った。

 県の緊急事態宣言が出された今年1~2月は、乗客数が前年度比で4割以上減少、1日平均乗客数も3万人を下回った。3月は観光客が増加したことなどから3万3975人と回復傾向にあったが、第4波で先行きは不透明だという。

 モノレール社は昨年9月、日立製作所と3両編成車両の4編成分の製造について契約した。美里義雅社長は当時の取材に「3両化を進めておかないと、経済が回復した時に間に合わない」と答え、予定通りに進める意向を示していた。同社は21年度の1日平均乗客数の予想を3万8千人として一定の回復を見込むが、コロナ禍以前の水準に戻るには時間を要する。

 19年度(20年3月期)決算は売上高に当たる営業収益42億6100万円のうち運賃による旅客運輸収入が95%の40億4800万円を占めた。浦添延長によって固定費が増加する中で、経営の屋台骨を支える乗客数の回復ペースが経営の焦点となる。