住民「絶対許されない」 発表一転、PFOSが含まれていた 空自の対応を疑問視


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航空自衛隊那覇基地から飛散した泡消火剤=2月26日、那覇市高良

 航空自衛隊那覇基地から流出した泡消火剤に、有害性が指摘される有機フッ素化合物PFOS(ピーフォス)が含まれていた事故を巡り、当初の発表でPFOS含有を否定していた那覇基地は7日、一転して含有を認めた。現場で採取した泡からPFOSが検出されたことを本紙が報じた後、説明を覆した。周辺住民は「自衛隊は住民を守らない。よく分かった」と怒りをぶちまけた。 

 自宅の玄関近くに泡消火剤が付着したという那覇市赤嶺の祖慶真行さん(66)は「あまりにも遅すぎる。最初は隠し、報道や県民の反応を見ていたのではないのか。県民を愚弄(ぐろう)しており、絶対に許されない」といぶかしがった。「住民に説明するチラシでも入れたら分かるけれど、そういうこともない。国体護持はするけれど、国民は守らない。本性を現したのでは」と疑問視した。

 PFOSの含有を航空自衛隊は明らかにしたものの、拡散や危険性などについて、7日現在で知らされていない周辺住民もいる。宇栄原で学童クラブを運営する女性は「(当初自衛隊は)安全宣言をしていたのに。考えられない。どこまで怖がっていいのか。安心していいのかも分からない」と不安げだった。PFOSによる環境汚染は米軍基地でも問題視されているが、自衛隊基地からも派生したことに「同じ基地問題であることを改めて感じた」と指摘した。

 水の安全を求めるママたちの会は、在沖米軍基地を由来とする水質汚染に危機感を抱いて設立された。山本藍代表は「子どもたちが暮らす環境が汚染され、これに軍事基地が絡むと怖い。透明性がどこまで担保されるのか分からないが、命を第一に取り組んでほしい」と訴えた。