防衛相、空自PFOS流出を謝罪 会見や住民説明会も検討


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会見する岸信夫防衛相=9日、国会内

 【東京】航空自衛隊那覇基地から流出した泡消火剤に有機フッ素化合物の一種PFOS(ピーフォス)などが含まれていたと同基地が認めたことについて、岸信夫防衛相は9日の会見で「住民の皆さまに大変なご心配、ご迷惑をお掛けしたことについて大変申し訳なく思う」と述べ、謝罪した。その後の国会審議で岸氏は、同基地による地元説明の姿勢について「記者会見、住民説明会を実施することも重要だ」との認識を示し、対応を検討するよう指導する考えを示した。(28面に関連)

 自衛隊施設周辺で指針値を超えるPFOSなどが検出された場合、地方自治体などの求めに応じて施設内にある浄化槽の水質分析など必要な協力を行っていると説明した。那覇基地でも要望があれば「同様に調査に協力していく」とした。

 防衛省の担当者は泡消火剤の交換作業が「日本消火装置工業会」の策定したマニュアルに基づいて行われたと説明した。結果として流出したことからマニュアルの改定を求める必要性について「関係省庁と連携して対応したい」と述べるにとどめた。赤嶺政賢氏(共産)への答弁。

 一方、水質調査時にPFOSが含有する検体の採取で使った手動ポンプを使い回した可能性があることについて岸氏は「このような不手際はあってはならない」と問題視した。

 水質調査結果では、PFOSなどが含まれていないことが予測された基地内の水槽の水から、PFOSが1リットル当たり1万6100ナノグラム、PFOAが同4480ナノグラム、PFHxSが同1万300ナノグラムの高濃度で検出された。

 岸氏は習熟していない隊員が検体採取を行い、使い回しが生じたとした。水槽の水について改めて調査を行う考えを示した。屋良朝博氏(立民)への答弁。

 会見では、漏出事故を受けた全国の自衛隊施設における配管の点検や洗浄について「改めて配管を洗浄する必要はないと考えているが、今後よく検討したい」と述べた。