若年層で高い失業率 コロナで改善傾向に打撃も<うるま市長選・争点をみる>中


この記事を書いた人 Avatar photo 慶田城 七瀬

 うるま市長選の大きな争点の一つが雇用問題だ。失業率の高さが長年の懸案事項だったうるま市は、さまざまな施策を打ち出してきたことで、近年は失業率が改善する傾向が見られていた。

 こうした中、新型コロナウイルス感染症が拡大した。市民の雇用に与えた影響は大きく、現状把握や対策が急がれる。

 2010年の国勢調査で、うるま市の完全失業率は18・2%と県内ワーストを記録した。若者の失業率が特に高く、15~19歳が42・7%、20~24歳が27・0%、25~29歳が20・7%だった。事態を重く見た市はさまざまな対策を講じた。

 12年度には就活サポート「であえ~る」を開設。求人情報の提供のほか、エントリーシートの書き方指導や面接対策などを行い、手厚い支援を始めた。同年度には「キャリア支援グッジョブうるま」もスタートした。小中学生や高校生の時から多種多様な職業に触れる機会をつくることで子どもたちの勤労観を養い、長い目で見た人材育成に努めてきた。

 こうした取り組みが奏功し、15年の国勢調査では完全失業率が7・5%に低下し、その5年前と比べ10・7ポイント改善した。

 だが県内11市の中では、うるま市の失業率が最も高かった。市はその後も、対策を取ってきたが課題は残ったままだ。

 20年の国勢調査の結果はまだ出ていないが、調査期間中は新型コロナによる影響が既に出ていた時期と重なった。15年の調査結果より悪くなっている可能性がある。

 人手不足が叫ばれていたコロナ禍以前とは状況が変わった。

 経済活性化や雇用対策について中村正人氏は「学校と企業が交流を深め、企業に必要とされる技術者の育成を図る。社会で役立つ能力を身に付けられる教育を実施する」と語った。そのほか「商工業・観光業の活性化を図るための拠点施設を整備する」としている。

 一方で照屋寛之氏は「うるま市は農畜産業や漁業の特産物が豊富にある。モズクやニンジンをブランド化し、付加価値を付けることで販売網の拡大を図る」と話した。「若者や女性が安心して働けるよう正規雇用の拡充支援や起業サポートを行う」とも強調した。
  (砂川博範)