夕食終えて一息つく時間に戦闘機の騒音…「沖縄の人を軽く見ている」返還合意から25年の日も


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米軍普天間飛行場

 【宜野湾】米軍普天間飛行場の返還合意から12日で25年となったが、飛行場は宜野湾市のど真ん中に居座り続けている。部品落下事故や有害物質流出などが続き、住民の我慢は限界を超えている。11日には飛行場内で清明祭(シーミー)があり、住民が先祖と穏やかな時間を過ごしたのもつかの間、12日には戦闘機が爆音を響かせた。

 12日午後5時半ごろから同8時40分すぎ、FA18戦闘攻撃機が離着陸を繰り返した。市が外来機の飛来禁止を求める中、住民の生活より訓練を優先させる米軍に、住民からは「沖縄の人を軽く見ている」と怒りの声が上がった。

 家族と夕食を終え一息ついたところで騒音にさらされた与那城千恵美さん(48)=市喜友名=は「25年間ずっと子どもたちの上空を飛んでいるが、ほったらかしにされている。東京ならこうはならないだろう」と疑問を呈した。

 上大謝名自治会の大城ちえ子会長は、米軍機が飛ぶ下で遊ぶ子どもたちの姿に胸が締め付けられた。「辺野古の基地ができないとずっとこれが続くのか。日米両政府は沖縄のためになることを話し合ってほしい」と求めた。

 普天間爆音訴訟団などは辺野古の新基地建設断念と飛行場の無条件返還を求める集会を那覇市で開く予定だったが、コロナの感染拡大を受け断念した。島田善次団長(80)=市嘉数=は「きょうも爆音で倒れるかと思った。負担は減らず増す一方だ」と憤った。