墓参りにも米軍の許可が必要「いつまで続くのか」 清明祭で353人が基地立ち入り申請


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清明祭で米軍普天間飛行場内にある先祖の墓を訪れる市民ら=11日、宜野湾市内

 【宜野湾】沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場内で11日、清明祭(シーミー)があった。基地内に墓がある住民らが米軍の許可を得て中に入り先祖に手を合わせた。住民らは「目の前に墓があるのに、いつまで(立ち入り許可制が)続くのか」と早期返還を求めた。

 市によると、清明祭で今年は353人が立ち入り申請をした。例年400人以上が申請しているが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で減少したとみられる。同飛行場南側の誘導灯沿いでは午前から、住民らが訪れ墓掃除を始めた。花や果物、重箱を供えて線香を上げ、先祖と穏やかな時間を過ごした。子どもたちが虫取りや花摘み、かけっこに興じる姿もあった。

 例年は家族3世代で訪れる比嘉和子さん(72)=市大謝名=はコロナ対策で夫と2人だった。「返還合意から25年たつが基地負担は何も変わっていない」と話した。