詩人・山之口貘賞 中里友豪さん死去 84歳 演劇集団「創造」結成


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中里友豪さん

 山之口貘賞受賞詩人で、演劇集団「創造」の結成に参加した中里友豪(なかざと・ゆうごう)=本名・仲里朝豪(ともひで)=さんが17日午後11時25分、心不全のため南風原町の病院で死去した。84歳。那覇市出身。自宅は那覇市楚辺。告別式は21日午後2時から2時45分、那覇市泉崎2の103の30、サンレー那覇紫雲閣で執り行われる。喪主は妻敏子(としこ)さん。

 中里さんは琉大国文学科卒業後、中学・高校教師になった。1961年、演劇集団「創造」の結成に参加し、「アンネの日記」などに出演。85年に詩誌「EKE」を設立。98年に詩集「遠い風」で第21回山之口貘賞を受けた。2000年に戯曲「越境者」で第4回沖縄市戯曲大賞を受賞した。代表作に「中里友豪詩集」「詩集 長いロスタイム」など。

 演劇集団「創造」で中里さんと活動してきた幸喜良秀さんは「存在感のある詩人・俳優で、亡くなったと聞きショックを受けている」と死を悼んだ。上演作品を振り返り「友豪さんはいろいろな問題を高い思想性に基づいて提起し、『沖縄をどうすればいいのか』といつも沖縄を憂えていた」と語った。

 「EKE」の同人で30年以上の親交のある詩人の矢口哲男さんは「さまざまな人が議論する場をつくる力を持っていた。異なる視点を持つ人を大事にしようといつも唱えていた。懐の深い人だった」と語り、別れを惜しんだ。