うるま市長選三日攻防の初日、両候補の取り組みは


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 【うるま】25日投開票のうるま市長選は22日、三日攻防に突入した。共に無所属新人で、前市議の中村正人氏(56)=自民、公明、会派おきなわ、無所属の会推薦=と、沖縄国際大名誉教授の照屋寛之氏(68)=共産、立民、社民、社大、新しい風・にぬふぁぶし推薦=が激しい舌戦を展開している。両氏の選挙戦最終盤の取り組みを追った。

(左から)市政継承を訴える中村正人候補=22日、うるま市内。市政刷新を訴える照屋寛之候補=22日、うるま市内

中村氏、経済の活性化に意欲

 中村氏は「三日攻防」初日の22日、うるま市の有権者の6割を占める具志川を重点的に回り、遊説や街頭演説で支持を呼び掛けた。主に新型コロナウイルス感染症対策に触れ、「うるま市民12万5千人の命と暮らしを守る。コロナ禍で落ち込んだ経済を活性化させる」と訴えた。

 雨が降る中、遊説で地域内をくまなく回り、人通りの多い交差点や各地区の公民館付近で演説を行った。行き交う車や歩行者に手を振ってアピールした。

 子育て支援策として、「2024年度には待機児童をゼロにする。ひとり親世帯は大変厳しい状況にあり、きちんと対応する」と力強く語った。その上で「うるま市に住んで良かったと市民が思えるようなまちづくりに取り組む」と強調した。

 中村氏は告示後、石川、与那城、勝連に入り、各地域に合わせた政策を訴え、支持拡大に努めてきた。三日攻防では大票田の具志川を回り、票の掘り起こしに奔走する。中村氏を支える与党市議18人は自身の後援会やその周辺に向けて、中村氏の政策の浸透を図る。自民や公明県議も連日うるま市に入り、組織票固めに注力している。

照屋氏、教育環境の充実強調

 照屋氏は「三日攻防」初日の22日、大票田の具志川を重点的に回り、票の積み重ねに奔走した。大学で37年間、行政学や政治学を研究してきた経験から「教育は未来への懸け橋で、まちづくりそのものだ」と強調した。返済不要の給付型奨学金制度創設や学校給食費の段階的無償化などで、子育て世帯の経済的負担を軽減した上で、教育環境の充実や均衡ある市の発展を訴えた。

 降りしきる雨の中、照屋氏は各地でマイクを握り、声を張った。全国を回って、地域行政を学んだ経験をアピールし、「うるま市を変えてみせる。任せてほしい」と述べ、支持を訴えた。環境条例の見直しに言及し、地域の特色にあったまちづくりによる活性化を誓った。

 照屋氏は告示後、石川、与那城、勝連を重点的に回ってきた。街頭演説で支持を呼び掛け、その地域に合わせた政策を掲げる。三日攻防では、選挙戦の鍵を握る具志川での票集めに力を注ぐ。陣営は市みどり町の選対本部以外にも市内各地に支部を設置しており、集票活動を展開している。ラインやSNSを積極的に活用し、若者や無党派層にもアプローチをかける。