国内米軍属 増加続く 1月時点1万2000人 補足協定効果なし


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 【東京】外務省は27日、日米地位協定で守られる国内の米軍属の総数が今年1月13日時点で1万2631人だったと明らかにした。このうち、米政府が直接雇用していない請負業者(コントラクター)の従業員は3183人。軍属の総数は前回発表した2019年9月12日時点に比べ1351人増、業者の従業員は同687人増加した。16年4月28日にあった米軍属女性暴行殺害事件をきっかけに日米両政府は軍属の範囲を明確化する補足協定を締結した。米政府が責任を負うべき地位協定上の特権を得られる軍属の人数削減を当て込んだものだったが、軍属の増加が続いている実態が浮き彫りになった。

 外務省によると軍属増加の理由について米側は、在日米軍の運用上の必要性が強まっていることなどを説明した。請負業者従業員の増加は「対外有償軍事援助(FMS)」を使った陸上自衛隊による米国製高額装備品の調達で、納入に当たる米企業の人員が増えていることが一因だとした。

 一方、軍属補足協定は軍属を8種別に分類しているが、請負業者従業員を除く内訳は報告されていないとした。

 軍属補足協定は16年の米軍属による女性暴行殺害事件を受け、軍属の範囲を明確化する目的で17年1月に日米両政府が締結した。

 これにより軍属女性暴行殺害事件で逮捕された、当時基地内のインターネット関連会社に所属していた男のような立場の従業員は、軍属から外れることになった。18年10月末時点で確認されていた請負業者従業員2224人のうち、範囲の見直しで対象から外れたのは10人だった。