イモ病害虫、津堅島で根絶 アリモドキゾウムシ 地元は駆除進展を歓迎


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津堅島でのアリモドキゾウムシ根絶を発表した那覇植物防疫事務所の橋本浩明所長(左から3人目)、県農林水産部の喜屋武盛人営農支援課長(同4人目)ら=27日、那覇市の県庁記者クラブ

 農林水産省那覇植物防疫事務所と県農林水産部が27日、県庁記者クラブで会見し、イモの病害虫・アリモドキゾウムシの津堅島(うるま市)での根絶確認を発表した。農水省が27日付の官報で植物防疫法施行規則の一部を改正する省令を告示し、アリモドキゾウムシの発生地域から津堅島を除外した。

 アリモドキゾウムシの再侵入を防ぐため、沖縄本島などから津堅島に生のサツマイモなどを持ち込むことが、28日から国の規則によって禁止される。

 一方、別種の害虫であるイモゾウムシの駆除には至っていないことから、津堅島から本土などへのイモの出荷や持ち出しはできない。アリモドキゾウムシの再侵入阻止とともに、イモゾウムシの根絶方法の確立も引き続きの課題となる。

 津堅自治会の玉城盛哲区長は「地元の農家の希望で事業を始めたこともあり、めでたいことだ。イモゾウムシ駆除も実現し、イモがニンジンに続く島の産物になれば」と病害虫駆除の進展を歓迎した。

 農水省は28日から津堅島への船が出る平敷屋漁港(うるま市)で見回りやチラシを配布するなどして、イモ類などの持ち込み規制を改めて周知する。島の住民にもチラシを配布する。27日の会見で、那覇植物防疫事務所の橋本浩明所長は「ご理解、ご協力をお願いしたい」と呼び掛けた。

 県は2007年から、津堅島でゾウムシ類の根絶防除事業を開始し、昨年の国の確認調査を経て、アリモドキゾウムシの根絶が認められた。今後はイモゾウムシの根絶に向けた不妊虫増殖などの研究や、ノアサガオなど寄主植物の除去などに取り組む。県農水部の喜屋武盛人営農支援課長は「県外への販路拡大に向け、ゾウムシ類の根絶は重要だ」と強調した。