過大給与12人で2761万円 島尻消防組合の規定違反 第三者委が報告書


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
管理者の瑞慶覧長敏南城市長(左端)に報告書を手渡す仲地博委員長(左から2人目)ら第三者委員会のメンバー=28日、南城市玉城の島尻消防組合消防本部

 【南部】2019年に島尻消防組合で条例の基準を超えた昇格(飛び級)など、不祥事が相次いで明らかになった問題で、同組合が設置した第三者委員会(仲地博委員長)は28日、管理者の瑞慶覧長敏南城市長に報告書を手渡した。報告書によると、21人の職員が飛び級に関わった。このうち12人は飛び級で給与が上がり、総額2761万4千円余りが過大に支給された。残る9人は飛び級で昇格したが給与が下がり、総額1221万7千円余りが過少に支給されていた。

 報告書は例規に反し飛び級したことや、内部規定を意図的に書き換えた疑惑など5点について記載した。飛び級は2008年3月から14年2月にかけて実施された。第三者委は「昇格は給与制度の範囲内で行われるべきだ」と指摘し、「給与は住民が負担する税金を原資とする以上、速やかに是正されるべきだ」と注文した。

 内部規定の書き換えについては規定の改廃を適切に行わなかったことなど、文書管理がずさんだったと指摘。「書き換えの疑いは免れない」として、文書管理などの能力向上を求めた。

 19年10月14日に救急活動の記録票を改ざんしたとされる疑惑については「意図的な改ざんはなかった」と判断した。賭博行為が指摘されたことについて「相当程度疑われる」と記した。

 仲地委員長は「(本紙などの)報道後、人事交流などが行われ、改善の努力が見られる」と期待した。瑞慶覧市長は「二度と不祥事等を繰り返さないように徹底したい」と委員に伝えた。