沖縄の企業、新卒採用なし21% 続く抑制「未定」も多く コロナ影響は43% 琉球新報×ジョブアンテナ調査


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 2022年春に卒業を予定する新規学卒者の就職活動に関し、琉球新報と転職サイト「ジョブアンテナ」は29日までに、2022年度入社採用計画の有無などを県内企業に聞いた調査結果をまとめた。計525社に調査票を配布し、133社から回答を得た(回答率25・3%)。22年度の新卒採用について「ない」と回答した社は28社(21・1%)で、21年度の採用時と同程度だった。ただ、今後採用を控える可能性がある「未定」「無回答」を加えると46社(34・5%)となり、21年度より厳しい就活環境になる可能性がある。

 本紙×ジョブアンテナ調査

 22年卒学生の採用予定について「ある」と答えた87社のうち、64・0%に当たる55社が採用人数は「前年度と同程度」とした。「増やす」とした社は19社、「減らす」とした社は12社だった。

 新卒採用計画の有無を企業の規模別にみると、従業員数100人以上の企業(計82社)は、84・1%(69社)が新卒採用が「ある」と回答した。

 一方で、従業員数100人以下の企業(計51社)では、新卒採用が「ある」としたのは35・2%(18社)にとどまり、「ない」が45・0%(23社)と上回った。中小規模の企業ほど採用への慎重姿勢がうかがえる。

 21年卒学生の採用実績については、「実績がある」が100社(75・2%)で、「ない」が27社(20・3%)だった。6社(4・5%)は無回答だった。

 採用への新型コロナウイルス感染症の影響について、133社のうち58社(43・6%)が「ある」と回答した。影響を受けている内容を複数回答で聞いたところ、「採用プロセスのオンライン化」が最も多く61・7%、「採用手法の見直し」が43・3%、「採用スケジュールの見直し」が41・7%と続いた。

 沖縄国際大非常勤講師で、キャリア心理学を担当する鮫島智行さんは「選考が始まっている3~4月時点で『未定』だと採用がない可能性も高い」とし、「21年春の採用と同程度か、より厳しい就職環境になる可能性がある」と分析した。

 調査は、県内企業の新卒・中途を含めた採用活動の実態を幅広く把握するため、ジョブアンテナと合同で実施した。調査期間は、3月末から4月上旬。ネット上の調査(グーグルフォーム)で回答を得た。

(田吹遥子)

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