【識者談話】コロナ禍の就活で必要なことは? 鮫島智行氏(沖国大キャリア講師)の見方


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鮫島智行さん

 本調査でも、他社による全国の企業を対象とした調査でも、「新卒採用の有無や規模は(前年度と)あまり変わらない」という結果になった。だが、「2022年の新卒採用は未定」と回答したサンプルや、採用人数について無回答だったサンプルを除外して集計すると、前年と同様に厳しい就職環境になる可能性が高いことが浮き彫りになった。

 新卒採用は「未定」と答えた企業でも、後で「やる」と判断する場合はあるだろう。しかし、この調査は採用のための広報や選考が始まっている3月から4月に行われているため、「やらない」という結論に至る可能性の方が高いと思われる。同様に、新卒採用の人数について無回答だった会社は、採用を取りやめたり、人数を抑制したりする可能性が高い。最終的には、新卒採用をする会社でも採用人数もいくらか減り、就職の環境は厳しくなると考えられる。

 就活サイトの情報では、21年卒の採用実績よりも22年卒の採用予定人数が少なくなっている例が散見される。そのような会社は「経営が苦しくなっているから避けた方がいい」と思う人もいるかもしれない。だが、事業環境の変化や自社の先行きを的確に捉え、手を打っているからこそ、採用人数を適切に抑制しているとも考えられる。

 就活生には、情報収集と分析に努め、疑問点は説明会や面接で積極的に質問をして、会社側にきちんと確認をしてほしい。先の見通しをもって経営をしている会社なら、疑問が晴れるように納得のいく回答をしてくれるはずだ。

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