沖尚いじめ報告書、再調査要求に県は10カ月回答なし 被害者の父親が会見


社会
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 沖縄尚学高校付属中学校で2017年に発生したいじめに関して、被害に遭った男子生徒(17)の父親(57)が30日、県庁記者クラブで会見を開き、第三者委員会の報告書を再調査するよう県に求めたが、10カ月以上も回答がないことを明らかにした。

 父親は「子どものことを考えてくれるなら再調査の可否を10カ月も待たせないでほしい」と不信感をあらわにした。

 いじめの発生を受けて、沖尚中は第三者委員会を設置して調査を進めた。昨年3月18日に、委員会が調査報告書を沖尚中に提出した。報告書を確認した父親は、聞き取り調査の時期や方法などに疑問を持ち、県に再調査を求めた。

 再調査の要請に対する回答が遅れていることから、父親は県行政オンブズマンを通して担当課に苦情を申し立てた。行政オンブズマンは「(再調査に関する)審議期間が長すぎる」との見解を示した。担当する県青少年・子ども家庭課の担当者は「進捗(しんちょく)は必ず保護者に報告している。報告書と所見書の内容を一つずつ丁寧に確認している」と説明。審議結果については「近いうちに回答したい」と述べるにとどめた。