那覇市の待機児童は37人 前年比116人減、コロナも影響か


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 那覇市は12日の定例記者会見で、認可保育園や認定こども園に入れない待機児童数(4月1日時点)が前年比116人減の37人だったと発表した。毎年増加していた入所申し込み数が初めて減少する中、2021年度に認可保育園2園が開所したことや、施設側と保育士のクラス配置などを調整して需要の高い年齢の定員を増やしたことが待機児童減少につながった。
 
 入所申し込みは前年比173人減の1万1408人。減った背景について、那覇市の担当者は「新型コロナウイルス感染拡大の影響で集団保育を危ぶむ人や在宅勤務をする人、失業した人が増えたのではないか」と分析している。
 
 那覇市の待機児童数のピークは16年度の559人。市は待機児童の基準を20年度から変更しており、以前の基準だと21年度の待機児童は73人となる。
 
 那覇市は待機児童ゼロを目指し、公立幼稚園を保育園と一体化した認定こども園にしたり、事業所内保育所の整備を進めたりして施設数と定員数を増やしてきた。16年度は86施設、定員8050人だったが、21年度は157施設、定員1万2234人となり「ハード面は一定程度整ってきている」とする。
 
 市は保育士の確保や処遇改善にも取り組み、新卒の保育士や長年勤続する保育士に祝い金を給付している。21年度は新たに、県外在住保育士の市内保育園への就活を支援するため、航空運賃を補助する予定。
 
 城間幹子市長は「私の目指す待機児童ゼロのイメージは、いつでも希望の園に入所できる、子育て世帯のニーズに細やかに対応できる状況だ。待機児童の解消に向けて引き続き取り組む」と述べた。