Bリーグ CS準々決勝 第3戦 キングス 激しさ貫く 富山に86―77


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
琉球-富山 第3Q、ドライブで切り込み、シュートを放つキングスの今村佳太=17日、沖縄市の沖縄アリーナ(ジャン松元撮影)

 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングス(西1位)は17日、沖縄アリーナで富山グラウジーズ(東地区4位、ワイルドカード1位)と2戦先勝方式のチャンピオンシップ(CS)準々決勝、最終第3戦を行い、86―77で勝利した。2勝1敗となり、キングスの準決勝進出が決まった。序盤からリードを許していたが、第1クオーター(Q)終了時に今村佳太がブザービーターの3点弾を決めて逆転。前半を8点リードで折り返した。第2戦で差を広げられた第3Qは、入りから持ち味である強度の高い守備と全員リバウンドを徹底し、流れをつかんで一気に突き放した。準決勝は22日から沖縄アリーナに千葉ジェッツ(東2位)を迎え、2戦先勝方式で対戦する。

 負けたらシーズンが終わる第3戦。緊張感に包まれたホームコートで、またもこの男がキングスを救った。奪った得点は快勝した第1戦と同じ、チームトップの27得点。常々「チームが苦しい時にこそ活躍できる選手になりたい」と理想を描く、今村佳太だ。

 試合開始から積極性が際立つ。内外からシュートを決め、第1Q終了時には「会場の皆さんの気持ちが乗っかった」とハーフライン近くからブザービーターを沈めて逆転で流れを呼び込む。「後悔の残るプレーはしたくない」とゴールを狙い続け、前半だけで19点を奪った。

 その積極性は仲間にも伝わる。ガードの岸本隆一が「とにかくボールを回そうと思っていた」と振り返る通り、周りも今村のフリーを見逃さない。「自分はおんぶにだっこ。それだけ仲間が信頼できる」。3点弾7本を含め、託されたボールをことごとくリングに沈めた。

 「チームが攻めたいコンセプトの中で打ち切れた」と仲間との連係を活躍の最大の要因に挙げる。守備でもハードワークを重ね「得点よりも、チームにエナジーを与えられていることが一番大きい」と地味な部分に重きを置く。準決勝でも「積極的なプレーを心掛けたい」と愚直さを貫き、チームをけん引するつもりだ。
 (長嶺真輝)


 ▽準々決勝第3戦(沖縄アリーナ、3350人)

キングス(西地区1位)2勝1敗 
 86―77(22―20,20―14,20―10,24―33)
富  山(ワイルドカード)1勝2敗

 【評】序盤から富山の外国籍選手に得点を許しながらも、今村佳太の活躍で前半をリードして折り返したキングス。第3Qは激しい守備と全員リバウンドでわずか10失点に抑え、攻撃にリズムを生んだ。最後までハードワークは衰えず、リバウンド数で相手を13本上回り、試合を優位に進めた。富山は残り1分で11点を奪い一時4点差まで詰め寄ったが、届かなかった。

◆プランやり続けた結果

 藤田弘輝HC(キングス)の話 勝って沖縄の皆さんを喜ばせたいと思い、覚悟を持って臨んだ。攻撃も守備も我慢して、試合プランをやり続けた結果だと思う。富山は外国籍選手が2人しかいない中ですごくファイトして、本当に尊敬すべきチームだった。

◆琉球は素晴らしかった

 浜口炎HC(富山)の話 試合には残念ながら負けたが、非常にいいシーズンだった。琉球は非常に素晴らしかった。準決勝以降、琉球のパワーで日本国籍取得選手のいる東地区の3チームを突破していってほしい。