貴重紅型など100点展示 県立博物館で新収蔵品展


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県指定無形文化財「びん型」保持者の城間栄順氏が制作した「古典紋様芭蕉布 波にかえで」(右端)などの紅型が並ぶ美術工芸品の展示コーナー=17日、那覇市おもろまちの県立博物館・美術館

 県立博物館・美術館の博物館企画展「新収蔵品展」が18日、那覇市の同館で始まる。6月20日まで。同館が2020年度に収蔵した資料のうち、自然史や考古学、美術工芸、歴史、民俗の各分野から計約100点を紹介する。県指定無形文化財「びん型」保持者の城間栄順氏が制作した「古典紋様芭蕉布 波にかえで」など貴重な紅型も展示する。首里城火災で被災し、焼け跡が残る正殿の欄干(らんかん)(手すり)や南殿の赤瓦、北殿の木材も公開する。

 報道陣向けの内覧会が17日にあった。美術工芸の展示品を解説した学芸員の與那嶺一子さんは、デザインや色彩豊かな紅型の作品を紹介し「技法の確かさや、いろいろなやり方で制作した紅型を見てほしい」などと来場を呼び掛けた。

 考古学の分野では、うるま市の伊波グスクのがけ下周辺で見つかった縄文時代後期の貴重な土器も紹介する。自然史では、島根県で見つかった日本最古となる約25億年前の岩石「花崗片麻岩(かこうへんまがん)」や、100万年に一度のゆっくりしたペースで冷え、特有の構造をした「ギベオン隕石(いんせき)(切断研磨面)」も展示している。

 問い合わせは同館(電話)098(941)8200。