【識者談話】体罰、意識低い指導者は回答せず 見えない実態 大峰光博氏(名桜大上級准教授)


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大峰光博氏(名桜大上級准教授)

 回答を回収できなかった指導者と部員らがいる事実を、県教育委員会は見落としてはいけない。体罰・ハラスメントに対して意識の低い指導者こそ、回答していない可能性がある。回答した指導者と、そうではない指導者がいることで、実態との“ずれ”が生じている。今回の調査結果だけで結論づけるのは難しい。

 体罰・ハラスメントの解決方法を模索するときに注目すべき点は、調査対象者の「指導者」と「管理職」が共通して、部活動を「負担過重」と感じていることだ。負担からのストレスは、体罰・ハラスメントにつながりやすい。

 休養日の設定や体罰の定義などが示されている「部活動指導ガイドライン」の内容を「名称は知っている」「全く知らない」と答えた指導者は21.8%(395人)いた。おそらく現場で、ガイドラインは守られていない。

 部活動は一体誰のために、何のためにあるのか。大きな負担を感じながら部活をやるべきではない。まずは「ガイドライン」に示された内容に立ち返るべきだ。
 (スポーツ哲学)