ボクシング、千葉(小禄中出)判定で敗れる 勝負の10R仕留めきれず バンタム級王座決定戦


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 プロボクシングのOPBF東洋太平洋バンタム級王座決定戦が21日、東京の後楽園ホールで行われ、千葉開(小禄中出、横浜光)が中嶋一輝(大橋)と対戦し、12回判定の末、0―3で敗れ、タイトル獲得はならなかった。千葉は序盤に足を使って相手の体力を削り、後半に勝負をかける作戦で臨んだ。終盤10回に有効な連打を浴びせ優勢になり、一気に攻め立てたが、クリンチなどでしのがれ仕留め切れず、逃げ切りを許した。


勝負の10R、仕留め切れず 「力んで…」、悔しさにじます
 

バンタム級12回戦 10回 積極的に前に出て、左フックを打ち込む千葉開=21日、東京の後楽園ホール(普久原裕南首都圏通信員撮影)

 強打を潜め、ポイントの獲得は度外視でKOのチャンスを待ち続けて迎えた第10ラウンド。

 前半に体力を使わせたことで動きが鈍り始めた相手を、千葉開の両拳が捉えた。コーナーに追い詰めると顔面に有効打を連発。膝がガクンと崩れたところを一気に攻め立てた。だが中嶋も今にも崩れ落ちそうになりながら、千葉の体を両腕でつかんで寄りかかり、どうしてもダウンだけはしないという執念を見せる。

 「力んでしまった。ただ強く打つのではなく工夫が必要だった。体力をロスし、うまく逃げ切られた」。相手のパンチで顔を腫らし、悔しさをにじませた千葉。タイトル獲得へ、わずかに及ばなかった。

 ジムの石井一太郎会長と共に練り上げてきた作戦は「完璧だった」。それだけに「あのチャンスで決めきるのがチャンピオン。それができなかったのが、自分の弱さです」と振り返った。

 念願のタイトル奪取は逃したが「もっと強くなれると、すごく感じる試合になった」と確かな手応えも得た。小学4年から沖縄に移り住み、那覇高でボクシングを始めた。卒業はせず、本土に行く道を選んだ。「沖縄の人たちに、ベルトを巻いた姿を見せたい」。王者奪取への決意を新たにした。

 (普久原裕南首都圏通信員)