金秀グループ、2期ぶり減収減益 小売堅調、建設と観光が停滞


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 金秀グループ(呉屋守将会長)は25日、2021年3月期連結決算を発表した。新型コロナ感染拡大に伴う巣ごもり需要から小売り事業が堅調に推移した一方、建設事業やリゾート事業が伸び悩み、売上高は前期比7.4%減の965億4100万円、経常利益は同12.5%減の22億3900万円、純利益は同22.8%減の10億6千万円となり、2期ぶりの減収減益となった。

 連結対象は金秀ファームが新たに加わり、14社1事業協同組合となった。

 企業別では、金秀商事は売上高が同0.8%減の618億2100万円、経常利益が同1.2%増の7億6500万円の減収増益だった。スーパー部門で新たに2店舗を出店し、巣ごもり需要も相まって売り上げは順調だった一方、観光客数の減少が影響してリゾート事業が大幅な減収となった。スーパー部門の店舗オペレーションを強化するなどして増益となった。

 金秀建設は売上高が同26.1%減の105億1千万円、経常利益は同28.2%増の5億8100万円の減収増益だった。民間投資が減少し、公共工事も大型物件の延期で減収となった。全社的なコストダウンで経費を抑え、増益となった。

 金秀鋼材は売上高が同13.5%減の125億4200万円、経常利益は同2.6%減の5億200万円だった。ホテルやマンション計画の見直しや中止が相次ぎ、建材出荷が停滞した。仕入価格の上昇もあり減収減益となった。

 金秀興産は売上高が同10.8%増の71億800万円、経常利益は同91.7%増の1億8600万円で増収増益。ホームセンターの「カインズ」でDIY、園芸用品の売り上げが伸び、利益も押し上げた。

 金秀ホールディングスの新垣秀彦社長は「リゾートホテルを休業せざるを得なかったが、従業員をスーパーに配置して雇用を維持してきた。減収減益ではあるが、一定の成果は得られたのではないか」と話した。