PFOS・PFOAが国指針値の2倍超 空自那覇基地の泡消火剤流出 水路下流から


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 2月に航空自衛隊那覇基地で発生した泡消火剤流出事故を巡り同基地が実施した基地内水路の水質調査で、水路下流から有機フッ素化合物PFOSが1リットル当たり100ナノグラム、PFOA同16ナノグラム(合計116ナノグラム)が検出された。国が定める暫定指針値(両物質の合計が水1リットル当たり50ナノグラム)の2倍以上の数値が検出されたことになる。上流の数値は暫定指針値と同程度だったため、下流で事故の影響が鮮明に出ていることがあらためて分かった。26日、同基地が発表した。

 空自は3月に那覇市と同じ日に水質調査を実施したが、前回の分析結果が市の傾向と異なったため再調査していた。空自の担当者は、異なる分析傾向が出た理由は「依然分かっていない」と説明。再調査でも高濃度の数値が検出されたことについては「那覇市と調整の上、引き続きモニタリング調査する」と述べた。

 基地内の泡消火専用水槽の調査ではPFOSが1リットル当たり3万9千ナノグラム、同水槽に入る水道水からも同0.83ナノグラムが検出された。空自は要因を検討するために追加調査する。

 那覇市の担当者は「自衛隊は泡消火専用水槽は適切に維持管理されているため流出の危険性はないとしているが、詳細が分からず不安が残る。納得のいく説明を受けたい」と述べた。