伊平屋住民が村を提訴へ 漁港工事の補助金返還で村長に支払い要求


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伊平屋村役場

 【伊平屋】伊平屋村田名漁港の工事の遅れで村が県や国に補助金8680万円を返還したことを巡り、村監査委員が伊礼幸雄村長に対し返還額全てを村に支払うよう勧告した件で、村は26日、「村長個人に(賠償の)請求はできない」と回答した。回答を不服とした住民らは、村に対して村長に全額返金を要求するよう求める住民訴訟を27日にも那覇地裁に提訴する方針を固めた。

 監査委員の勧告に対する回答期限は26日だった。

 村は、地方自治法で監査請求期間は「当該行為があった日または終わった日から1年」と規定されていると指摘。行為があったのは補助金を受けた2019年4月との解釈を示し、住民が監査請求をした21年2月は期限を過ぎていると主張した。

 監査に記載されている内容や法解釈にも相違があるともした。

 伊礼村長は、職員による不法行為などの事実を認めるとし「村民に大変申し訳なく思う」と謝罪。「裁判で争うことは村にとって大きな損失になるので避けたい。住民監査請求人らと話し合いたい」と述べた。

 監査請求をした西銘仁正氏は「村側と見解に違いもある。その点を裁判で争いたい」と話した。