浄化後なのにPFAS値上昇…北谷浄水場、設備劣化で 県「安全性は確保」


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北谷浄水場(資料写真)

 沖縄県企業局と市町村の水道事業者などによる、2021年度水道事業連絡会議が27日、オンラインで開かれた。米軍基地からとされ、有害性が指摘される有機フッ素化合物(PFAS)について協議した。

 北谷浄水場の浄化後の水で原水よりもPFASが高濃度であることについて県企業局は、浄化のための活性炭が経年劣化してPFASを保持する能力が低下しているために、いったん吸着したPFASが浄水に混ざることがあると説明した。

 県企業局の志喜屋順治配水管理課長は「いずれにしても、国の暫定目標値(PFOSとPFOAの合計が1リットル当たり50ナノグラム以下)に照らすと十分低い。安全性は確保されている」と強調した。

 一方、北谷町は「町民や利用者から、さらなる低減ができないかとの声がある」として、嘉手納基地内にある井戸群からの取水を減らすかやめるよう要請した。

 志喜屋課長は「水事情が良好な時期は井戸群からの取水を抑制し、ダム水を増量するなど対応している」と説明した。基地内への立ち入り調査について「具体的な回答は得られていない」と述べた。

 その他、北谷町や那覇市が新型コロナウイルス感染拡大の影響による自粛期間中に、水道利用が大きく減ったことを報告した。県企業局は市町村などに対し、コロナの影響で水道事業を止めないため、感染対策の徹底を要望した。