闘病支え合い「みんなにこにこ」 兄が難病の5歳、いとことヘアドネーション


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5年以上伸ばした髪をヘアドネーションのために切った湧川かのんさん(中央)、いとこの当銘りいなさん(右)と湧川さんの兄の詩恩さん=5月31日、沖縄市上地のビアビューティスタジオ

 【沖縄】難病の福山型筋ジストロフィーと闘病する兄がいる沖縄市の湧川かのんさん(5)=市立高原幼稚園=と、いとこの当銘りいなさん(7)=市立高原小学校2年=が5月31日、5年以上伸ばしてきた髪を切り、必要とする人に寄付するヘアドネーションをした。抗がん剤治療などで髪が抜けた人のかつらなどに加工して役立てることで、病と闘う人たちの支え合いにつなげたい、と母の万希子さん(44)が提案し、2人が賛同して髪を伸ばしてきた。

 2人は沖縄市上地の美容室「ビアビューティスタジオ」で髪を切った。美容室オーナーの宮城厚子さんは過去に乳がんを患った。抗がん剤治療を受ける人たちの髪が抜ける様子を目の当たりにした経験もあり、協力を申し出た。美容室が2人の髪を大阪のヘアドネーション団体に送り、かつらに加工されるという。

 かのんさんの兄・蓮人さん(6)は筋ジスで入退院を繰り返している。母の万希子さんは育児に思い悩んだこともあったが、「きつい時こそ支え合うことが大事」だと感じ、2人にヘアドネーションのために髪を伸ばすことを提案した。

 かのんさん、りいなさんは成長するに伴い伸ばす意味を理解し、「髪の毛がない子にあげたら、みんなにこにこしておしゃれができるね」などと話していたという。

 31日に散髪しショートヘアになった、かのんさんは「うれしい。また伸ばしたい」と話し、りいなさんは「病気の子に届けばうれしい」と笑顔を見せた。