島を襲うごう音…畑に米軍ヘリ不時着 「民家に落ちたら」住民恐怖


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住宅地に近い畑に不時着した米軍ヘリ=3日午前11時31分ごろ、うるま市の津堅島(小型無人機で撮影)

 【うるま】いつか起こると思っていた―。島を覆う飛行音に、複数の住人が違和感を抱いた直後だった。畑が広がる、うるま市の津堅島の民間地に2日深夜、米軍ヘリコプターが不時着した。住宅まで、わずか120メートル。「恐怖を感じた」。のどかな田園風景を米軍機が一変させ、住民の不安が広がった。

 「いつもと違う」。2日午後10時半すぎ、玉城盛哲区長は上空からのヘリの音が普段より高音だと感じた。その1分後だった。住民が米軍ヘリの不時着を知らせると、玉城さんは現場に駆け付けた。「幸いに大きな損傷もなかったので安心したが、民家に落ちたらと考えたら恐怖だった」と語った。警察に通報した後、状況説明など現場での対応に追われた。日付が変わり、3日午前4時になっていた。「市と協力し、抗議の声を上げるつもりだ」と強調した。

 現場周辺は規制線が二重に張られた。不時着した米軍機に近い内側の規制線近くでは警察関係者がいて、外側の規制線のそばには地元住民や報道陣が様子を見守っていた。

 不時着機体の乗務員である米兵たちは、手持ち無沙汰な様子で、機体内に座りながら応援の部隊を待っている様子だった。

 友人からの一報を受けて訪れた、不時着地点の向かいに畑を所有する森英介さん(46)は「普段よく上空を飛んでいるが、まさかこんなことがあるとは」と驚きを隠さない。「ずっとこのままだったら畑の所有者も困るだろう」と漏らした。

 リラックスした様子の米兵とは反して、時折、現地を訪れる住民が不安そうにヘリを見詰めていた。