米軍ヘリ、今夕離陸か 修理不可なら海上輸送 津堅不時着


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
不時着機体(手前)に物資輸送と人員派遣のために普天間飛行場から飛来した米軍ヘリ=4日午後2時10分ごろ、うるま市勝連の津堅島

 【津堅島=うるま】米軍普天間飛行場所属のUH1Y多用途ヘリが沖縄県うるま市の津堅島に不時着した事故で、在沖米海兵隊は5日夕方にもヘリの修理を終え、離陸が可能になるとの見通しを示した。機体の修理ができなければ海上輸送で撤去し、その場合は天候などの要因で来週中盤になる見通し。4日、本紙の取材に回答した。中村正人うるま市長は同日、沖縄防衛局を通し、米軍に抗議と再発防止を申し入れた。

 松川正則宜野湾市長は沖縄防衛局と外務省沖縄事務所に、電話で安全管理の徹底などを求めた。公明党県本部も沖縄防衛局を通じ、米軍に抗議した。県は7日以降に抗議などの対応について検討する。

 津堅島の不時着現場の畑では4日、海兵隊の点検チームが修理を続けた。午後2時半ごろ、普天間飛行場からヘリ2機が飛来して複数の人員と物資を下ろした。不時着した機体の移送に使うとみられる板状の物資も運び込んだ。

 現場で取材に応じた佐藤卓也内閣官房沖縄危機管理官は、日米地位協定に基づく「軍用航空機事故に関するガイドライン」で設定される内周規制線への立ち入りを、政府が求めていないことに「求める段階ではないと判断している」と語った。不時着した機体からの部品落下や土壌汚染などに関する報告はないという。

 ヘリは2日深夜に津堅島の畑に不時着。海兵隊は3日午後に島に修理班を派遣し、4日に部品を搬入して修理を続けている。