犬猫の殺処分ゼロ 宮古島市 愛護団体と保健所の連携奏功


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宮古保健所に収容された犬=5月10日(宮古保健所提供)

 宮古島市の2020年度の犬、猫殺処分がゼロだったことが、宮古保健所のまとめ(速報値)でこのほど分かった。猫は3年連続、犬は2年連続になる。同保健所によると、民間の動物愛護ボランティア団体による譲渡先探しの活動や市民の譲渡希望の増加が大きく影響した。

 宮古島市は狂犬病法違反による犬の捕獲数が過去5年、年間200匹を超えており、県内でも多い地域だ。また、狂犬病法による捕獲に含まない生後90日以下の犬の保護や飼育できなくなった飼い主による保健所への持ち込みを含めると収容数は例年、年間300匹前後になる。

 15年度は狂犬病法違反による捕獲だけで341匹と急増、保護や引き取りを加えると383匹に上った。同年度の殺処分は200匹。収容後に病気などで収容舎内で死亡した件数も含めると、15年度は322匹が死亡した。飼い主に36匹が返され、譲渡された犬は21匹しかいなかった。
 この状況を打破しようと動物愛護ボランティアと保健所が連携し、収容犬の譲渡先探し活動を本格化させた。16年度の殺処分数は96匹と前年から半分以下となり、18年度はゼロだった。

 一方、捕獲と保護、引き取りによる収容数は、20年度は168匹と初めて200匹を下回ったものの、大幅な減少とは言えない。収容舎のひっ迫状況は依然として続いている。
 保健所担当者は「捨てる命を生まないように、放し飼いをしない。猫は室内のみで飼養する。避妊、去勢手術をしっかりするなど取り組んでほしい」と呼び掛けた。