ウコン輸出最高2.2億円 20年、健康志向高まり要因


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 沖縄地区税関は16日、2020年にウコンの県内からの輸出量が前年比4倍の17・9トンと急増し、金額は同4・2倍の2億2582万円だったと発表した。数量と金額ともに比較可能な1988年以来、過去最高となった。全国シェアは6年連続で1位となっている。

 新型コロナウイルスの感染拡大で、世界的に健康志向が高まっていることが主な要因とみられる。主にティーバッグやサプリメント原料用のウコン粉末が輸出されている。日本製の商品は安心感の高さから海外でも人気が高く、県産ウコンも品質の良さが評価されているという。

 輸出量を国別に見ると、カナダが前年比4・8倍の9・7トンで、全体の54・2%を占めた。アメリカが同2・3倍の3・25トンで続き、全体の18・2%を占めた。ドイツは2・54トンで、前年からの伸び率が5・5倍と最も高かった。ドイツを通じて陸続きのヨーロッパ全体に販路が広まっている可能性もあるという。

 国内全体の輸出量は同4・7倍の21・4トン、輸出金額は4・6倍の2億5866万円だった。全体の8割を沖縄が占め、輸出拡大をけん引した。亜熱帯気候の沖縄はウコンの栽培に適しており、生産から加工、輸出を一貫してできる強みがある。

 国内では2004年に県外大手メーカーがウコン飲料を発売して国内で知られるようになった。沖縄のウコンの輸出先は元々台湾や韓国などアジア地域が主だったが、15年ごろから欧米諸国への輸出が増えた。

 担当者は「今後も順調な伸びが期待できる。酔い止めだけでなく、健康維持としてのウコンに姿を変えつつある」と話した。