夫婦別姓導入へ意見書の提出求め 市民団体が沖縄市議会に陳情


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 【沖縄】選択的夫婦別姓制度の実現に向けて活動する市民団体「選択的夫婦別姓・陳情アクション沖縄」は10日、法制化を求める意見書を国に出すよう要望する陳情書を、沖縄市議会に提出した。

 同会の共同代表の砂川智江さん(43)=沖縄市=は「自分の名前のまま戸籍上の夫婦になりたい人たちに、選択肢を与えてほしいだけだ。沖縄市議会でも意見書を可決して、市民の幸せを応援してほしい」と訴えた。

 選択的夫婦別姓は、結婚時に夫婦が同姓になるか、別姓でいるかを選べるようにする制度。陳情書では、夫婦どちらかが改姓しなければ結婚ができない現在の制度では、望まない改姓による精神的苦痛や、キャリア形成上の不利益、事実婚による婚姻の形骸化や非婚化、少子化などさまざまな問題が生じると指摘した。

 旧姓使用によるトラブルにも触れ「改姓による困りごとは枚挙にいとまがない」と強調。制度が導入されても「あくまでも『選択』で、同姓を選ぶ権利を阻害するものではない」とした。

 選択的夫婦別姓制度を巡っては、これまでに200を超える全国の地方議会が、導入を促す意見書を国に提出している。県内では2019年10月にうるま市議会が意見書を可決した。陳情アクション沖縄は今月3日、県議会に請願書を出している。

 砂川さんは「結婚に伴う姓の選択はパートナーシップの基礎。同姓、別姓の良しあしではなく、それぞれの夫婦の価値観で選べるようになるといい」と望んだ。