沖縄の2015年スポーツ市場976億円 沖縄振興審議会で報告 5年で53%増


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 国の沖縄振興策の在り方を議論する沖縄振興審議会総合部会専門委員会が25日、那覇市の八汐荘で開かれた。今後重点的に強化する産業分野の一つとして、スポーツコンベンションが挙げられた。沖縄総合事務局の独自試算として県内のスポーツ市場は2015年に976億円(推計値)、県内総生産に占める割合は2・34%だったと報告があった。推計値は5年ごとで、11年比で53・2%(339億円)増だった。

 県内では沖縄アリーナ(沖縄市)などの大型施設も整備され、「スポーツとヘルスケアサイエンス拠点として可能性がある」とした。

 スポーツの県内市場額が明らかになるのは初めて。総合事務局がまとめた「今後重点的に強化する産業分野の検討に資する調査」の説明で本道和樹経済産業部長が紹介した。

 そのほか、今後の成長可能性が高い業種や業態として、半導体関連の部品製造業やソフトウエア産業、サイバーセキュリティー産業などが挙げられた。

 本道氏は「全国最下位の県民所得からの脱却には特定の業種・業態の支援だけでは難しい。引き続き幅広い企業の支援のほか、ミクロ的には一定規模があり成長可能性の高い企業には経営マインドを高めるため支援を考える必要もあるかもしれない」などと語った。

 また、日本銀行那覇支店の一上響支店長も沖縄経済について報告した。航空機を利用した旅行需要は中国やタイ、インドネシアなどといった沖縄に近いアジアの国々で高まっていく見通しだと紹介し、「沖縄は地理的に非常に可能性がある」と指摘した。

 ただ今後、脱炭素社会の実現に向けた機運や施策が展開されるとして、航空機を利用した旅行に関しては「県は今後の推移を注視した方がいい」と述べた。