丹精込め おいしい茶に 浦添、島桑が収穫最盛期


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浦添市牧港の桑畑で収穫作業に当たる仲原勇さん(右)と親富祖清満さん=11日、浦添市牧港

 【浦添】浦添市の特産品である島桑が収穫の最盛期を迎えている。島桑を使った商品開発に力を入れる市シルバー人材センターが管理する畑から採れる島桑は、在来種の約2.5倍の葉っぱに成長する。連日、人材センターの会員たちが畑での収穫作業から葉落としの作業、袋詰め作業を行う。収穫された桑の葉は主に、市の特産品である「てだ桑茶」の原材料として粉末状に加工される。

 シルバー人材センターの井上吾一さんによると、センターが管理する桑畑は市内では、牧港や安波茶、伊祖などにあるほか、糸満市や西原町など市外にもシルバー人材センターが管理する桑畑がある。これらの畑から採れる桑の葉の年間収穫量は約10トンで、乾燥した状態だと約2.5トンになるという。

浦添市シルバー人材センターが栽培している島桑の葉(左)。在来種(右)に比べて大きいサイズとなっている

 11日、浦添市牧港の畑で汗を流しながら作業にいそしんでいた仲原勇さん(66)と親富祖清満さん(72)は、6月に入って連日、2人で市内の畑を回る。毎朝8時前には畑に出て午前中いっぱいは作業をするという。2人は「畑作業は健康づくりにもなっていい。多くの県民にわれわれが作った島桑を知ってほしい」と語った。

 仲原さんと親富祖さんが採った島桑は市伊奈武瀬の市養蚕絹織物施設サン・シルクに運ばれる。その後、主に会員の女性たちにより葉落としと袋詰めの作業が行われる。人材センターに入って5年目の友利恒子さん(78)は「みんなでユンタクしながら作業して楽しいよ」と笑顔。桑茶を愛飲する友利さんによると、ヨーグルトに粉末をかけて食べるのがお薦めという。

 桑の葉を使った商品は、てだ桑茶のほか、最近ではちんすこうなどお菓子の原料にも使われている。
 (吉田健一)