「住民投票つぶしだ」「議論の多様性失う」石垣市の自治基本条例改正 傍聴席から怒号も


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石垣市自治基本条例改正案に抗議する市民ら=28日午前、同市役所前

 【石垣】石垣市自治基本条例が改正され、住民投票に関する条文が削除された28日、市民らは市議会が出した結論に対し、「住民投票つぶしだ」「議論が尽くされていない」などと声を上げた。

 「市住民投票を求める会」は、条例を根拠に石垣市平得大俣への陸上自衛隊配備計画の賛否を問う住民投票を求めてきた。金城龍太郎代表(30)は「住民投票をつぶしにかかった印象だ。議会と行政だけで、物事が決められるようになってしまう。新しい角度からの意見が取り入れられず、(議論の)多様性がなくなってしまうのではないか」と懸念を示した。

 朝には石垣市役所前に20人ほどの市民らが集まり、メッセージボードを手に「条例改正反対」などと訴えた。市民数人が市議会の傍聴席から議決を見守っていた。

 傍聴席から「恥を知れ」との怒号も飛んでいた。

 市内への陸自配備計画に反対する「石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会」のメンバーは、慎重な議会運営を求める要請書を市議会の平良秀之議長に手渡した。

 市議会を傍聴した市民連絡会事務局の藤井幸子さん(73)は「議論が尽くされていない。市民の意見が取り入れられていない条例改正だ」と語気を強めた。