西表島の環境保護を目指し資金募る ふるさと納税制度を活用し財団設立へ


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西表島の海岸付近には多くの漂着ごみが流れ着くなど環境保全が課題となっている=3日、竹富町西表島

 【西表島=竹富】竹富町は2日、西表島の自然環境保護を目指す「西表財団」の設立を目的に、運営資金確保のため、ふるさと納税制度を活用したクラウドファンディングを始めた。財団は寄付金を活用して、野生生物の交通事故(ロードキル)対策や観光による自然への影響調査などをしていく予定という。企業版ふるさと納税や口座振り込みによる寄付も募っており、目標額は合計で2千万円。

 町によると、西表島には世界的に貴重な動植物が多く生息しているものの、近年は観光客や漂着ごみの増加などで、豊かな自然や島民の生活に影響が出ている。こうした問題に小規模自治体の竹富町だけの力で対応するには限度があるとして、寄付を募ることになった。

 竹富町が行うクラウドファンディングの手法は、ふるさと納税制度を活用したガバメントクラウドファンディングと呼ばれるもの。寄付者はふるさと納税同様に、要件を満たせば寄付金控除が受けられる。2千円から受け付けており、ふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」から申し込める。寄付者の居住地は問わない。

 一方、企業版ふるさと納税は竹富町内に本社を持たない法人が対象で、最低寄付額は10万円。寄付をすると、寄付額の最大9割に相当する額に税額控除の特例措置がなされる。竹富町のホームページから申請の手続きができる。口座振り込みによる寄付は税の控除の対象にはならないが、最低額などはない。

 町の担当者は「これまでの町の環境保全活動には課題もあった。西表を応援している皆さんにぜひ寄付をお願いしたい」と話している。