「コオロギこくとう」商品化 エビに似た風味? 沖縄ちゅら企画


社会
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新商品の「コオロギこくとう」

 卸売業の沖縄ちゅら企画(浦添市)はこのほど、コオロギ粉末を県産黒糖に配合した「コオロギこくとう」を商品化し、7月から自社サイトで販売を始めた。「昆虫食」は人口増加に伴う食糧危機を救う食材として、世界的に注目されている。沖縄ちゅら企画の西平政次社長は「新しい、楽しい県産品になれば」とアピールする。

 昆虫は安価な上に栄養価が高く、環境への負荷も少ないことから国連食糧農業機関(FAO)が食料問題の解決策として推奨している。欧米を中心に10年ほど前から食品開発が進められ、最近では日本でも大手小売業がコオロギの粉末を練り込んだせんべいなどを販売し、話題を呼んだ。

 西平社長は「昆虫を使って新たな沖縄土産を作れないか」と模索する中で、在庫問題を抱える県産黒糖に着眼した。昆虫原料の卸業者からタイ産イエコオロギの粉末を仕入れ、黒糖菓子製造の琉球黒糖(糸満市)に製造を依頼。多良間産黒糖などとブレンドし、オリジナル商品を完成させた。

新商品の説明をする琉球黒糖の金城幸英部長(左)と沖縄ちゅら企画の吉澤亮課長=15日、浦添市前田の沖縄ちゅら企画

 コオロギは、エビやカニなどの甲殻類に風味が近い。琉球黒糖の金城幸英企画営業部長は「これまでにさまざまな商品開発に携わったが、昆虫食は初めて」と驚きつつ、「黒糖本来のおいしさを残しつつ、コオロギの風味をうまく引き立てることにこだわった」と語った。

 西平社長は「未来の昆虫菓子シリーズ」として、今後は蚕やバッタの展開も視野に入れている。「昆虫食は可能性が広く、話題性もある。微力だが県産黒糖の普及にもつなげたい」と意気込んだ。

 「コオロギこくとう」は100グラム入り、税別600円。販売サイトはQRコードから