沖縄の高校生徒会がつながった! 平和動画、清掃活動…オンラインで企画続々


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12日に県立美来工科高校で実施した「繋がるクリーンプロジェクト」。清掃後、オリジナルの旗を次回開催校に手渡した=12日(「繋げるプロジェクト」提供)

 「みんなでつながれば何でもできる!」。生徒会に所属する県内の高校生たちがオンライン上で集まり、多様な企画に挑戦する「繋(つな)げるプロジェクト」を展開している。新型コロナウイルス感染拡大で学校行事が激減し、生徒会活動も制限される中で、「他校ではどんな取り組みをしているんだろう」と情報交換することで複数校の生徒会がつながった。「コロナで何にもできないんじゃない。つながった分、何でもできるはずだ」と考え、仲間を増やしながら平和を訴える動画撮影など、多様な企画に挑戦している。

 プロジェクトの発足は今年1月。複数校の生徒会メンバーと知り合い、「自分じゃ思い付かないアイデアに出会える」ことに魅力を感じた球陽高校3年の崎浜空音さん(18)さんが、チームとして活動することを提案した。7月までに、7校14人が集まった。

 6月には「繋(つな)げる平和プロジェクト」と称して、慰霊の日を知らない県内外の人たち向けに動画を作り、インスタグラムで発信した。メンバーの一人、嘉手苅太陽さん(17)=読谷高3年=が提案し、3日間で完成した。

毎週日曜にオンライン会議を開いている「繋げるプロジェクト」のメンバーら=11日(繋げるプロジェクト提供)

 仲村樹さん(17)=美来工科高3年=は同級生から「動画を見て平和について考えた」と話し掛けられた。崎浜さんは県外にいる友人から「沖縄と違って、ここは慰霊の日という公休日がない。県外で知り合った友だちに見てもらう」と連絡があった。

 動画発信は、チーム発足以来、初めて実現できた企画だった。その他にもメンバーで各高校を回って、その学校の生徒たちと清掃活動をする「繋(つな)げるクリーンプロジェクト」や、家庭の余剰食品を募って寄付をする「繋(つな)げるフードドライブプロジェクト」などの企画を進めている。

 嘉手苅さんは「自分一人じゃできないこと、一つの高校だけじゃできないことが実現できる。とても可能性を感じる」と笑顔を見せる。仲村さんも「みんな違ったアイデアを持っている。輪が広がった分、活動の可能性が広がる」と期待を込めた。チームの発起人である崎浜さんは「実は、メンバーのほとんどはいまだに会ったことがない。6月に配信した動画の撮影も、各自で撮影して編集したものだ。新型コロナで直接の交流は減ったけど、オンラインなら広範囲の人たちとつながれる。可能性は無限大だ」と胸を張った。

 下記のQRコードから「繋げるプロジェクト」のインスタグラムにアクセスできる。
 (嘉数陽)