「磨きをかけてパリ五輪へ」宮本の父・裕二さんが健闘たたえる


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重量挙げ73キロ級に出場した宮本昌典選手に声援を送る父の裕二さん(中央)ら=28日夜、那覇市内の自宅

 「さらに磨きをかけてパリ五輪へ」―。東京五輪の重量挙げ男子73キロ級に出場した宮本昌典選手(24)の父・裕二さん(61)は、那覇市内の自宅で家族や親戚とともに観戦し、試合の様子を見守った。7位の入賞結果に「最後は悔いなくやり切ったと思う。次に向けて頑張ってほしい」とねぎらった。

 レスリングの名指導者として知られる裕二さん。新型コロナウイルスの影響で観戦はかなわなかったが、那覇市の自宅には宮本選手が通った沖縄工業高校生徒会から贈られた応援旗を掲げ、家族と声援を送った。

 宮本選手が1カ月ほど前に発熱し、体調が思わしくなかったことが気になっていたという。28日の試合では、宮本選手のスナッチ1回目が143キロと低めのスタートだったため、裕二さんは「調子が戻っていないのかなと感じた」と振り返った。

 スナッチを147キロ(8位)で折り返し、ジャークの2回目で188キロに成功した宮本選手は、3回目で日本記録を更新する196キロを選択。持ち上げることができず、東京五輪を終えた。裕二さんは「最後はメダル狙いだったが、スナッチのしわ寄せがいってしまった」と悔やんだ。

 7位の結果に、厳しい表情ものぞかせる。「本番に向けたコンディションを微妙なところまでうまく調整できれば、メダルにもっと近づく」。次に掲げる目標は明確になった。裕二さんは「五輪という世界のスポーツイベントの頂点に挑戦できる位置にいる。さらに自分を磨いて、パリで頑張ってもらいたい」と、息子のさらなる成長に期待を込めた。