「心からの強さ感じた」 平良コーチ、宮本昌典の成長に頬緩める


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
男子73キロ級 平良真理コーチ(右)に送り出されジャーク188キロに臨む宮本昌典

 ジャーク3回目。調子が悪い中でもメダルを狙える重量を果敢に申告した教え子を前にして、帯同した平良真理コーチは頼もしさを覚えた。宮本が競技を始めた小学6年のころに出会い10年余り。「初めて彼の心からの強さを感じた。絶対に次につながる。改めて、すごい選手なんだと実感した」と目尻を下げた。

 最終試技の前、宮本の頬をぽんっとたたいた両手には「自分のパワーを全部与えて、絶対に挙げてほしい」との思いを込めた。

 試合前は調子が上がらず、2人で「絶対にできる」と言い合い闘争心を高めてきたが、全試技が終わった後に宮本がぼそっと「怖かったー」と漏らしたという。「紙一重のところで戦ってたんだなと思って、ものすごいかっこよかった」とわが子の成長を喜ぶように頬を緩めた。

 宮本の7位は、2000年シドニー五輪に自身が出場した時と同じ順位だ。パリ五輪では「オリンピックの難しさ、試合の運び方は分かったと思う。(パリでは)目標である金メダルですね」と期待した。