東風平18年ぶりV 県中学野球選手権 城北に1―0


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 軟式野球の第73回県中学校選手権大会(主催・県中学校体育連盟、県教育委員会、琉球新報社)最終日は29日、沖縄セルラースタジアム那覇で決勝を行い、東風平(島尻地区)が城北(那覇地区)に1―0で勝利し、18年ぶり3度目の優勝を飾った。投手戦となった決勝は、東風平が六回に得点圏に走者を進めると、4番・神谷俊哉の投ゴロの間に、三走の新城安球道が生還を果たした。東風平と城北は、九州大会(8月6~9日、沖縄市など)に県代表として出場する。


東風平・新城、積極走塁 奪った決勝点
 

城北を1―0で下し、マウンドで優勝の喜びを爆発させる東風平ナイン=29日、沖縄セルラースタジアム那覇(又吉康秀撮影)

 執念の1点が決勝点となった。スコアボードにゼロが並び、どちらも譲らぬ一進一退の攻防が続いた。締まった投手戦が動いたのは六回。四球で出塁した先頭の新城安球道が、バッテリーミスやゴロで進塁し、迎えた1死三塁、4番の神谷俊哉への2球目。球がリリースされる直前で、三走の新城は「(投手が)足を落としたらスタートしようと決めていた」とスタートを切った。

 内野が前進守備を敷く中、神谷の打球は大きくバウンド。その間に新城が本塁に突っ込み、ベースに左手で触れた。この試合唯一の生還を果たした新城は「終盤での1点だったのでめっちゃうれしかった」と右拳を掲げ、大歓声の中、ベンチへと迎え入れられた。

 この回、無安打で機動力を絡めて貴重な得点を挙げた。波平邦秀監督は「苦しい展開になると分かっていたが、練習で注力してきた走塁と投手陣の力がここに来て発揮された」と全員でつないだ1点を振り返る。

 さらに指揮官は「練習の成果がなかなか出ず苦しい時期もあった。出場している選手、していない選手全員がそれぞれの役割で頑張った」と声を詰まらせて男泣き。18年ぶりに立った頂からの景色は「子どもたちの急成長を感じた大会だった」と喜びをかみしめた。

 (上江洲真梨子)


好投小波津「九州で雪辱」 城北
 

2番手で登板し、好投を見せた小波津将仁

 毎回走者を背負いながらも、城北は隙のない守りで東風平の好機を次々とつぶしていった。だが、六回に東風平の足を絡めた攻撃で先制を許す。猛追を試みたが、得点圏に走者を送れぬまま試合終了のサイレンにうなだれた。

 四回から登板した小波津将仁は「いつも通りの投球ができた」と調子は悪くなかった。スライダーやカーブを混ぜ、打たせて取る投球で被安打1の好投も実らず。

 個人で敢闘賞を受賞したが「(受賞は)うれしくないと言えばうそになるけど、優勝を狙っていたから満足ではない」と肩を落とす。8月の九州大会で「もっと走り込んで体づくりして、チームを勝たせる投手になる」とリベンジを誓う。