在沖米軍、沖縄県の抗議を受け付けず 米軍属強制性交未遂事件


この記事を書いた人 Avatar photo 玉城江梨子
橋本尚文外務省沖縄担当大使(手左側)と小野功雄沖縄防衛局長(同右側)に抗議する謝花喜一郎副知事=6日、県庁

 路上を歩いていた女性に性的な暴行を加えようとしたとして、北谷町内に住む米軍属の男が強制性交等未遂の容疑で逮捕された件で、在沖米軍が沖縄県の抗議を受けない意向を示していることが6日、分かった。この事件について小野功雄沖縄防衛局長と橋本尚文外務省沖縄担当大使を呼び出して抗議した場で、謝花喜一郎副知事が明らかにした。

 謝花副知事によると、米軍は逮捕された男が軍属で「各軍の管理下にない。抗議・要請はAAFES(エーフィス、米陸・空軍エクスチェンジサービス)にするように」と主張しているという。

 謝花副知事は「極めて違和感がある。日米地位協定で軍人と同じように地位が保全されている軍属が各軍どこにも管理されていないというのは不備があるのではないか。米軍でしっかり対応すべきだ」と語り、小野防衛局長と橋本大使から米軍に働き掛けるよう求めた。

 2016年の米軍属による女性暴行殺害事件については、当時の四軍調整官が県庁に出向いて県の抗議を受けた上で謝罪したとし、「差がありすぎる。(今回は)未遂といえども県民に大きな不安を与えた」と指摘した。

 深夜から早朝まで基地外での飲酒などを制限するリバティー制度を軍属に適用することも要請した。事件について「非人道的で卑劣な犯罪で、女性の人権をじゅうりんするものだ。断じて許せず、強い怒りを覚える」と述べ、再発防止策などを求めた。