【一問一答】普天間の危険性除去「感情的な議論に」 久間章生氏インタビュー


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本紙のインタビューに応じる久間章生元防衛相=12日、静岡県熱海市

 ―沖縄国際大学ヘリ事故から今年で17年。米軍普天間飛行場の危険性除去は進んでいない。

 「普天間飛行場は危険な場所だから閉鎖せざるを得ないという思いは日米にあった。ただ、移転経費の問題や場所の選定について詰めないまま、感情的に議論が進んだ感じがする」

 ―県内移設への反対意見が県民には大きい。

 「米軍がいなくなったら沖縄経済にとってもマイナスだ。建前として帰れと言う人もいるが、こじれてはいない。大して情勢は変化していない」

 ―以前のインタビューで、軍事的に辺野古新基地にこだわる必要はないと証言している。

 「考えは一緒だ。米側も他国に部隊を置き続けるのは駐留コストの面で厳しい。私が、在任時も外務省を通じて駐留経費の負担要求を何度もしてきた。SACO合意時、(米側には)日本が駐留経費について対応してくれるという期待もあったはずだ。自衛隊でも、米軍がいつ撤退してもいいように基地の現状を調査している。(米軍撤退を見越して)自衛隊で全部やる構えを取っている。私の時代からだ」
 「南西諸島ならどこでもいい。台湾海峡有事の懸念もある。自衛隊でも日本国内に基地をつくるとなれば海面から供給可能な沖縄ということになる。沖縄は経済が発展していない。基地で経済がある程度潤う」

 ―沖縄に経済力があれば、基地が立地はしにくいということか。

 「それはしにくい。所得が低いから、基地の需要が生まれるという面はある」
 「沖縄の経済振興は簡単にはいかない。日本の南端にあり離島が多い。地理的条件に加え、購買力も弱い。台湾のようにはいかない」

 (聞き手・安里洋輔)

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