市役所にバス案内所、路線バスとコミュニティーバス接続で便利に 南城市に国交大臣表彰


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路線バスの再編と同時に導入した市内線を走る「Nバス」=南城市役所

 【南城】地域の公共交通に関して優れた取り組みをした団体などに贈られる「優良団体国土交通大臣表彰」がこのほど発表され、南城市が選ばれた。市役所にハブ機能となるバス停を整備し、市内を走るコミュニティーバス「Nバス」と基幹路線バスを接続することで、市内外への移動や積極的な情報発信で利用者の大幅な増加を実現するなど、積極的な地域公共交通の確保と維持に取り組んだことなどが評価された。

 市は2018年に市内を運行する沖縄バス、東陽バス、琉球バス交通の3社と地域公共交通再編に関する協定書を締結。19年10月には市役所を拠点としてバス路線の再編を実現。市内を走るNバスも運行させた。また、市民向けのワークショップやアンケートなどを実施して、運行ルートの変更や運賃の見直しなどを行ったほか、Nバスの位置情報を確認できるバスロケーションシステムの導入や市役所内にバス案内所を設置するなど、利便性の向上に努めた。

 市によると、路線バスの利用者は再編前の2015年に県が行った調査では1日平均180人弱だったが、再編後は300~400人に増加した。市の担当者は「昨年はコロナの影響で臨時休校などもあり、利用者が底を打つ時期もあったが、最近では再編時の75%にまで戻っている」と話す。一方で「土日、祝日の利用者が少ないので、利用促進を図りたい」と述べた。