縄文人と「タマン比べ」<北谷の海辺散歩・生物調査から>2


この記事を書いた人 Avatar photo 大城 周子
右は伊礼原遺跡から発掘された縄文時代のタマンの上あごの骨。左は最近釣れた40センチ級のもの(北谷町教育委員会提供)

 先日、北海道・北東北の縄文遺跡群が世界文化遺産に登録されました。遠い東北の縄文文化は海を越えて北谷にも伝わっています。伊平にある伊礼原遺跡からは、謎多き沖縄の縄文人の暮らしや当時の環境が明らかになり、国指定史跡になっています。

 この遺跡からはドングリのほかイノシシ、魚、クジラなどの骨が多量に出土しました。縄文人は豊かな山や海の幸に支えられて暮らしていたようです。写真はどちらも高級魚で知られるタマンの上顎の骨です。写真の左は、私の釣りの師匠が釣り上げ、私もおいしくいただいた40センチ超えのタマンです。

 一方、右は遺跡から発掘されたタマンの骨で、縄文人が食べたと思われます。この超大物を捕獲した晩はお魚談義に花が咲き、タマン汁に舌鼓を打ったことでしょう。師匠! 縄文人に完敗です。
 (北谷町教育委員会学芸員 藤彰矩)