東京商工リサーチ沖縄支店は19日、3月期決算の県内企業349社の業績動向調査を発表した。新型コロナウイルス拡大に伴う経済停滞の影響で、売上高が増加した「増収企業」は前年に比べて減少した。一方で、コロナ関連の助成金などによる営業外収益の増加や経費の圧縮により、純利益が増加した「増益企業」は過去5年間で最多となった。
調査は東京商工リサーチの企業データベースを基に、県内349社の2021年3月期決算と過去4期分の決算を比較した。
調査対象のうち増収企業が占める割合は、17年3月期から4年連続で50%を超えていたが、21年3月期は前年比18.1ポイント減の36.4%にとどまった。観光業などを中心に幅広い業種で収入が落ち込んだ。全国は約7割が減収だった。
売上高が減る一方で、増益企業率は同2.4ポイント増の50.4%と、過去5年間で唯一50%を超えた。雇用調整助成金など新型コロナ対応の助成金が営業外収益に計上されたことや、人員調整による人件費の圧縮、接待交際費や出張費などの経費支出も大きく減ったことで、利益を押し上げる形になったとみられる。
黒字企業率は同0.1ポイント減の74.8%と、ほぼ横ばいだった。