糸満の土砂採掘地、農地の一時転用は「許可相当」 市農業委員会


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糸満市米須の土砂採取場所=2021年5月

 【糸満】糸満市米須の土砂採掘を巡り、市農業委員会は25日、採掘業者が提出した農地の一時転用について、申請内容に「瑕疵(かし)はない」として、許可相当と判断した。9月上旬に県農業会議で意見を求め、市農業委員会で出た意見と合わせて意見書をまとめる。業者の一時転用申請に意見書を添え、9月10日までに県に提出する。一時転用については、県が最終的に判断する。

 8月上旬、業者は7年以上の工期を約3年に短縮した工程表を提出した。農地法は農地の一時転用について、3年以内としている。

 一方、糸満市農業委員会では農地の一時転用で作物への粉じん被害などの懸念も示された。

 8月31日の市土地利用対策会議で、担当課と意見を共有する。

 一時転用予定の農地は鉱山北側の農道に隣接し、機材などの運搬路に使われる見通し。

 政府は米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う新基地建設で、埋め立てに使用する土砂の採取予定地に、本島南部も対象に計画している。

 沖縄戦で激戦地となった地域の土砂が埋め立てに使われる懸念があることについて、市民団体などは遺骨が含まれている可能性を指摘し、計画の断念を求めている。