運転免許の自主返納19年は過去最多 県内4960人、大多数が高齢者


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 2019年中に運転免許を自主返納した人が前年比で約1500人増え、4960人と過去最多になっていたことが2日、県警免許管理課への取材で分かった。県警によると返納者のほとんどが65歳以上の高齢者。19年4月19日に発生した東京・池袋の暴走事故の翌週に申請した返納者は、事故発生前の5倍に増加した。加齢による身体機能や認知機能の低下を懸念した、多くの高齢ドライバーが返納に至ったとみられる。

 20年6月に成立した改正道交法では、過去3年間に信号無視や速度超過などの違反歴がある75歳以上の人への技能検査が義務付けられた。自動ブレーキなどを搭載した安全運転サポート車(サポカー)限定の免許創設も改正法に盛り込まれ、全国でも高齢ドライバーによる事故防止に向けた施策が実施されている。

 県内では、免許返納者はバスやモノレールの運賃が半額になるなど、優遇措置を受けられる。県警交通企画課は「身体機能の低下など、運転に自信がなくなった方は家族などと相談してほしい。関係機関に協力を依頼し、返納者の交通環境が少しでもよくなるよう取り組んでいきたい」とした。

 免許返納者は12年以降増加しており、20年は4218人だった。