地域で連携し子に弁当 名護・屋部の保護者有志が呼び掛け


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屋部保護者有志の会のメンバーとスクールソーシャルワーカーの具志堅千鶴子さん(右端)=8月17日、名護市屋部

 【名護】名護市屋部では夏休み期間中、給食がなく食事に困る子どもたちを支援しようと、地域住民が協力して資金を集め、無料で弁当を配布する取り組みがあった。

 中心となったのは、地域住民らで構成される「屋部保護者有志の会」。7月下旬から8月下旬にかけて、週3回、計539食分の弁当の配布を実施した。

 有志の会代表の上原尚子さん(47)は「新型コロナウイルスの影響で経済的に打撃を受けた人が多く、子どもたちの食事に影響が出ている」と指摘。「行政の支援を待つだけではなく、地域で何かできないかと考え始めた」と経緯を説明した。

 地域の企業や個人に寄付を呼び掛け、総額約25万円の資金が集まった。弁当は地域の飲食店約10店舗が提供した。市内の農家からは野菜の提供などがあった。

 協力した韓国のり巻を販売する「HICHU HOUSE」の皿谷友美さん(43)は「弁当配布をきっかけに、地域の人たちとつながりもできた。今後も協力していきたい」と話した。

 有志の会は、地域の家庭の事情に詳しいスクールソーシャルワーカーや社会福祉協議会とも連携し、昼食を必要とする子どもたちに弁当が届く体制を構築した。弁当は子どもや保護者が上原さんの自宅まで取りに来る。

 名護市内では、就労継続支援B型事業所「us plus(アスプラス)」が手作りの弁当を無料で配布するなど、子どもの食を支援する動きが出てきている。

 上原さんらと連携して弁当を配布した、スクールソーシャルワーカーの具志堅千鶴子さんは、「コロナをきっかけに、地域で支援の輪が広がっている」と話した。